研究

専門領域

法と医療・生命倫理、法理学、法哲学、行動心理学的「法と経済学」

研究テーマ

法における自由とパターナリズム、行動心理学的「法と経済学」、現代医療の法・倫理的諸問題に関する考察。

研究内容と特色

私のこれまでの主たる研究テーマは、本人自身の利益を保護することをその自由(自己決定)や行動への法的介入や規制の根拠とする原理である「パターナリズム」について法学と生命倫理学の観点からの理論的な検討であります。そして学位取得論文「法的パターナリズムについての理論的考察――自己決定の意味と人間行動の合理性・選好」にて大阪大学から博士号を授与頂きました。パターナリズムは、医療の様々な領域での主題であります。具体的には医師と患者の関係、不治の病や遺伝子情報の情報開示や不告知、宗教上の信仰に基づく輸血拒否、安楽死や自殺幇助、混合診療問題、そして出生前診断と遺伝子に欠陥を持つ胎児の選択的中絶、代理出産、臓器提供などの是非を考える際にパターナリズムは避けて通ることのできない重要な主題であります。私は、パターナリズムの概念を英米の法哲学理論や医療倫理学の詳細な分析を通し検討するとともに、いかなるパターナリズムが自律を基底的な価値とするリベラルな立場からも正当化可能であるのかというパターナリズムの正当化範囲を探求してまいりました。

私の研究の特色は、一言でいえば、そのアプローチの学際性(法哲学・生命医療倫理学・政治哲学・社会学・法と行動経済学)と理論分析から現実の法政策や医療制度の批判的検討であります。

パターナリズムは、日本の生命倫理学においては、患者の自己決定と対立するものとして捉えられてきておりますが、医療倫理や法学の英米の理論や文献を検討し、パターナリズムが患者の自律と必ずしも対立しない概念として捉え返し、両者の望ましい関係を模索しているところに私の研究の独自性があると考えます。

海外留学

所属学会等

外部競争的資金:科学研究費

  • 研究代表者:科研費基盤(B)
    遺伝情報のプライバシーと遺伝子差別の法規制
    (平成22年度~24年度、課題番号 22330004)
  • 研究分担者:科研費基盤(B)
    「体質遺伝子検査」技術に関する社会ネットワークと社会的認識の調査研究
    (平成21年度~23年、課題番号 21330117、研究代表者:山中浩司大阪大学教授)
  • 研究分担者:科研費基盤(A)
    トランスプロフェッショナル・リテラシーを備えた専門家養成基盤に関する模索的研究
    (平成23年度~27年、課題番号23240105、研究代表者:三成賢次大阪大学教授)

瀬戸山科研 | 遺伝情報のプライバシーと遺伝子差別
 http://ksetoyama.com/gpgd2010/